日ごろのお手入れで差がつく「ウールセーター」のケアのポイント
寒い季節に欠かせないアイテム、ウールセーター。
お手入れが行き届いたセーターを着こなしている人を見ると素敵だなあと憧れますよね。「自分もウールセーターが欲しい!でも毛玉ができてしまってかっこ悪くなるのは嫌…」と不安な方もいるかもしれません。
ウールセーターは日ごろのお手入れと正しい洗濯を行えば永く愛用できる逸品。
そこで今回はウールセーター(ニット)のお手入れ方法について紹介します。
日ごろのお手入れの流れは以下のとおり。
- 着用後のケア
- 洗濯
- 洗濯後の干し
- アイロン仕上げ
特に大切なのが、①着用後のケア。
日々のお手入れがウールセーターの寿命を左右するといっても過言ではありません。ここでは、①~④それぞれの工程のお手入れポイントをご紹介します。
ぜひお手持ちのウールセーターのケアに取り入れてみてください。
着用後のお手入れ方法
ウールセーター着用後のお手入れポイントは以下の5つです。
- ブラッシングで汚れを落として毛並みを整える
- シミが付いたら“すぐに”シミ抜きをする
- 目立つ毛玉はこまめに取る
- 汗や湿気を含んでいると感じたら畳む前に干す
- 同じものを毎日着ない
ブラッシングで汚れを落として毛並みを整える
外から帰ってきたセーターにはホコリや花粉などの汚れが付いているため、ブラシなども使いながら目立つ汚れを取りましょう。毛足の長いセーターの場合、毛並みを整える効果もあります。
毛の乱れが毛玉にもつながることから、ブラッシングが毛玉防止になると言われています。しかし、硬い毛で摩擦を加えることは逆に毛玉をできやすくしてしまいます。
ウールは繊細な繊維。強くこすってしまうと毛玉ができてしまうため、毛の流れに沿って汚れを払うように、やさしく丁寧にブラッシングするのが大切です。
ウールセーター専用のブラシを1本持っておくのがおすすめ。
柔らかい馬毛や山羊毛のものを選びましょう。
シミが付いたら“すぐに”シミ抜きをする
シミが付いたらすぐにシミ抜きしてあげましょう。
ウールセーターのシミ抜きで大切なポイントは2つ。「洗剤選び」と「強い力を加えない」です。
中性のおしゃれ着用洗剤やウールに使える旨が明記されている洗剤を選びましょう。強力洗剤や酵素を含むバイオ洗剤、漂白剤入り洗剤などは避けてください。
また、濡れた状態で強い負荷が加わると繊維同士が絡み、縮みや型崩れが発生してしまうため、やさしく押し洗いをするように、できるだけ手早くシミ抜きするようにしましょう。
汚れが繊維の奥に入り込んで固まる前に、シミを見つけたらできるだけ早く対処することが大切です。
ウールのシミ抜きについては「ウールの効果的なシミ抜き方法!性質を理解して正しくケア」も参考になるので、ぜひ読んでみてください。
目立つ毛玉はこまめに取る
ウールに限らずセーターに付き物なのが毛玉(ピリング)。ブラッシングで少しの予防効果はありますが、袖や裾元など頻繁にこすれる箇所は毛玉ができやすいです。
毛玉を切り離す時は、毛玉周辺の糸や生地を切らないように気を付けて、眉毛ばさみや糸切ばさみのような小さなはさみで切ってお手入れしてください。
不器用で道具を使うのが不安な方、面倒くさがりな方は手でつまんで取るのもよいでしょう。毛玉を放置しないことが美しさを保つ秘訣です。
ただ、毛玉取りもほどほどに。毛玉になる前の毛羽だった繊維を頻繁に取ることは、生地をすり減らしているのと同じことだと言えます。
毛玉を取れば取るほど生地が痩せてしまいます。セーターの寿命も縮めてしまいます。
セーターには毛玉がつきものですので、あまり摩擦を起こすような鞄を使用しない、セーターを着たまま激しい運動をしない等、毛玉のできにくい着用の工夫をしたり、毛玉ができた場合はこまめに取る等、セーターとの上手な付き合い方を覚えましょう。
お気に入りを長く着て大切にしたいという方は、毛玉のできにくいしっかり目を詰めて編み込まれたものを選ぶと良いでしょう。多少生地が薄くなっても元々原料がたっぷり編み込まれているセーターは長持ちします。
汗や湿気を含んでいると感じたら畳む前に干す
1日着たセーターは汗や湿気を沢山含んでいます。
すぐにたたんでしまうと型崩れやカビの原因に。
日光の当たらない風通しのいい場所でハンガーに吊るして、1日の汗や湿気を飛ばしてあげましょう。
しかし、ハンガーにかけっぱなしはいけません。伸びや型崩れの原因になるので、長い間干したままにしておくのは避けましょう。
平干しをするか、ハンガーに吊るす場合は肩幅の広いハンガーを使用し、数時間以内に抑えましょう。
同じものを毎日着ない
どんなにしっかり作られたセーターでも、何度も摩擦を加えると毛玉もできれば汚れも付きます。あまり着用の頻度が高いと寿命も短くなります。
一着ではなく、最低でも3枚は用意し、ローテーションを組んで着まわすことが長持ちさせることにつながります。
一日二日と休ませることで、セーターは自然と呼吸をするように湿気を吸っては吐き、吸っては吐きを繰り返します。
その間に多少の型崩れも自然となおる効果があるのです。洋服を休ませる意味がここにあります。
その効果が高いのは天然繊維で作られたものです。良いものは良いという所以ですね。
また、お気に入りのセーターを何点か持っておくと日々のスタイリングも楽しくなりますね。洋服を楽しみながら、セーターとも長いお付き合いをしてみてください。
洗濯時のお手入れ方法
ウールセーター洗濯時のお手入れポイントは以下の5つです。
- 品質表示で混紡素材の有無、洗濯表示を確認
- ウールにやさしい洗剤を選ぶ
- 色落ちしないか確認する
- 洗濯機を使う時は洗濯ネットを使う
- 乾燥機は絶対NG
永く愛用するためには、ウールの縮み対策が大切です。
まずは洗濯表示を確認すること。自宅で洗濯可能かどうかも重要ですが、見落としがちなのが水の温度。液温限度も必ず確認しましょう。基本的にウールは30℃以上の液温で洗うと繊維が絡まりやすくなるため要注意。
洗剤はシミ抜きと同じくウール用洗剤、あるいはおしゃれ着用中性洗剤を使うのがおすすめです。これらは一般的な洗剤より繊維にやさしい成分でできており、ウールの繊維が絡みにくくなっています。
さらに網目の細かい洗濯用ネットに入れて洗うことで、洗濯時に加わる負荷や摩擦が軽減されます。
ウールの洗濯方法については「ウールは洗濯すると縮む?毛玉もケアする正しいお手入れ方法」も参考になりますよ。
干す時のお手入れ方法
ウールセーターは「平干し」がおすすめです。
濡れたセーターをハンガーで干すと、水分の重さで力のかかる部分だけ伸びたり、型崩れしたりしてしまいす。
最近は、100円均一ショップでも平干し用のネットハンガーが市販されているため、ひとつ用意しておくとよいでしょう。
直射日光に当てるとウールが日焼けし変色してしまうため、日の当たらない通気性のいい場所で干してあげてくださいね。
ちなみに、タンブラー乾燥は型崩れや縮みを引き起こすのでウールセーターに限らずウール製衣服にはNGです。
最後にアイロン仕上げをおこなうと綺麗に仕上がります。
セーターに押し付けずにスチームを吹きかけて蒸すイメージでスチームを当てて形を整えましょう。
ポイントはアイロンをウールセーターから少し離した状態でスチームを当てること。
薄手のセーターには当て布をしてあげるとより丁寧です。
着続けているとどうしても伸びてしまう首元や袖のリブ部分も、スチームを当てることである程度伸縮性が戻ることがあります。
セーターは繊細だからこそ、やさしくお手入れすれば永く愛用できる
ウールセーターを永く着るためには、日ごろのお手入れが欠かせません。
「繊細だからこそ、手を加える価値がある」
お気に入りの一着を手入れする時間も楽しんでいただければと思います。
NIKKE 1896は、“つづく愛着”をテーマに、長持ちさせるための衣服のケアについてお客様にお話しております。
メリノウールの素材特性について、ウール製洋服の日々のメンテナンス方法や、体型変化に応じたサイズのお直し等、永く着て頂くためのサポートをさせて頂きます。
NIKKE 1896でも上質なウールセーターの企画が進んでいます。
極細メリノウールをこれでもかとたっぷり編み込んだ他では手に入らない飛びきりの1着です。商品のリリースを楽しみにお待ちください。