愛着がつづく「メリノウールスーツ」のお手入れ方法
愛着のあるスーツ、少しでも永く着るには正しいケアが欠かせません。ウール製のスーツはその素材の特性上、実は多くのケアを必要としない優れものなのです。
しかし、お気に入りを少しでも永く着るために、必要最低限のお手入れ方法をおさえておきましょう。
メリノウールの特徴 その優れた素材の秘密!
ウール製品は簡単なお手入れで、快適に永く着られる特性を持っています。ウール繊維の表面は多層構造となっており、汚れに強く、撥水性や消臭性といった天然の便利な機能が備わっています。
ウール製品は、綿などと比べて型崩れや変色もしにくく、ケアを正しく行えば、きれいな状態を保つことが可能なのです。地球にもやさしい天然素材であるウールは、時代とともに永く人の生活に寄り添ってきた優秀な機能性繊維です。
愛着をもって永く着る。メリノウールスーツのお手入れ方法
メリノウールの基本的なケアとしては、①表面に付いた汚れの除去、②湿気の除去、③型崩れしない保管方法、の3つです。いずれもとても簡単なので覚えておいて損はないと思います。正しいケアで、スーツを長持ちさせましょう。
1.ブラッシング 表面に付いたホコリや汚れを除去
食べこぼしや汁の飛び散りが付かないよう、食事中はナプキンを掛けたり、カジュアルな場では上着を脱ぐことも汚れを防ぐことにつながります。
ブラッシングすることで、繊維に入り込んだ汚れをかき出し、カビや虫食いの予防に繋がります。また、繊維の流れが整うことで、わずかですが毛玉を予防する効果もあります。
帰宅して上着を脱いだら簡単にブラッシングを習慣化しましょう。
ブラシが無くても、表面を簡単に手でたたき、ホコリを払うだけでも効果はあります。
生地の種類にもよりますが、粘着力の強い状態でコロコロを掛けるのは生地の表面の毛羽立ちにつながりますので、避けた方が良さそうです。
ブラッシングで落ちない埃は、強度を弱めた粘着テープでやさしくぽんぽんと叩くように取り除きましょう。
2.室内干し 風通しのいい場所で湿気を除去
着用後のスーツは風通しのいい場所で湿気を除去。脱いだらすぐにクローゼットへしまわないようにしましょう。特にあたたかい季節は、一日着用している間に体から出た蒸気を生地が吸っています。
湿気た状態で空気の流れがないクローゼットにしまうことで、型崩れやカビの原因にもなってしまいます。
1時間~2時間ほど室内にハンガーに掛けて置いておくだけで、効果はあります。
また、スーツに限らず、光の強い場所に長時間保管していると、変色や色焼けが起きる場合があります。
日光を遮ることができるクローゼットに入れる、難しい場合はスーツカバーを掛けて光を遮りましょう。
3.型崩れ防止 深いシワにはスチーム掛け、ハンガーは太めのものを
ウール製品は、基本的に干しておくだけで自然に細かいシワを伸ばすことができますが、ジャケットの肘部分ややスラックスに付いた深いシワは、蒸気を使って伸ばします。
アイロンを掛けなくても、シワの気になる箇所にシュッとスチームを吹きかけるだけで簡単にシワは取れていきます。スラックスのセンタープレスはしっかりとアイロン掛けをしてきれいに線を付けることも良いでしょう。
また、クリーニングは毎回着用後に出す必要はありません。
汗が気になる夏場は直接肌に触れるスラックスのみクリーニングに出すことも経済的です。
特に汚れが気にならない場合は、シーズンに一回、衣替えのタイミングでクリーニングに出す程度で構いません。
同じスーツを毎日着ることは痛みも早くなりますので、少なくともシーズンごとに2着~3着はスーツを持っておいて、着まわすことをお勧めします。
着用頻度を少なくして痛みを防ぐ効果と、着用しない日にスーツはしっかり休みますので、型崩れを防ぐことにもつながります。
また、クローゼットにしまう際は、太めのハンガーに掛けることで肩回りの立体感を保つことができます。
メリノウールは人と地球に優しい未来の素材
NIKKE 1896は、「上質なウールが⼈と地球にやさしいことを証明する」を未来のビジョンに掲げています。
ウールの“やさしさ”を伝える伝道師として、お客様に、永く愛着を持って着ていただくための衣服をご提供し、ご購入後のケア方法など、メンテナンスに関するサポートもしています。
上質なウールが私たちに教えてくれるのは、これから先の衣服のあるべき姿。「心身ともに快適」な日常生活を送るためのヒントを授けてくれるのがウールです。
気に入ったものをケアしながらも永く大切に着るということは、衣服の廃棄を減らし、未来への環境問題を解決するための一つの答えでもあります。
自然と人と羊の営みの中で育まれた上質なウールは、これからも未来へとつづき、我々の生活をより豊かにしてくれるに違いありません。