スーツにテカリ…?!テカリが起こる原因と除去する方法
「お気に入りのスーツにテカリが…!」
日ごろから頻度高くスーツに身を包んでいる人であれば、一度は経験したことがあるかもしれません。
ビジネスシーンからフォーマルな場、友人や同僚の結婚式など、さまざまなシーンで活躍するスーツ。
テカリが出たスーツは、どこかみすぼらしく見えてしまうため、なるべく避けたいものです。
そこで今回は、スーツのテカリが起こる原因や消す方法をご紹介。またテカリとアタリの違いも解説します。
大切なスーツを守るためには、正しい知識を知っておくことが大切です。
身近にあった!スーツにテカリが起こる原因
スーツにテカリが起こってしまう原因は「着用時の摩擦」です。
着用することで様々な要因から服地が擦れ、繊維が扁平化することによってテカリが発生してしまいます。
生地や繊維のふくらみや凹凸がつぶれて平らになった状態だと光が拡散されず、鏡のように正反射してしまうためテカリが見えてしまうのです。
着用時の摩擦はどうしても避けられず、程度に違いはあっても発生します。
その中でも特にテカリが起こりやすい部分は以下の3箇所。
- お尻…椅子に座ることで生地と椅子の摩擦、体重負荷が生じる
- 肩…ショルダーバッグやリュックと生地の摩擦やバッグの重みによる圧着
- 肘~袖…肘をつく・書き物を擦る等、デスクワーク中の摩擦や体重負荷
ぜひご自身のスーツを確認してみてください。気付かないうちにテカリが出ているかもしれません。
素材によるテカリの取れやすさ
素材にもよりますが、スーツのテカリはある程度消すことも可能です。
ほとんどのスーツ生地はウール100%か、ウール/ポリエステルの混紡から出来ています。
天然繊維であるウールは、水を含むと繊維が膨潤し元の丸い断面に復元する作用があります。
しかし、合成繊維であるポリエステルの場合、1度出来てしまったテカリは元に戻りにくい素材です。
摩擦や圧着により、変形した粘土のような「塑性変形」を起こしてしまうからです。
しかし、ウール/ポリエステル混紡生地であっても30%程ウールが配合されていれば、水に漬けるだけでテカリを軽減することが出来ます。
ただし、湿った状態で強く揉んだりすると、ウールの繊維が毛羽だったり縮んでしまうこともあるので、水につける際には注意が必要です。
スーツを着る機会が多い方は、スーツの素材にも着目してみると良いでしょう。
出来るだけウール100%、もしくはウール高混率の生地を選ばれることをおすすめします。
意外と簡単!テカリを取る方法
テカリが出てしまったスーツはご自宅でのケアで対処できる場合があります。
①ブラッシング
何度も着用していないのにテカる場合は、ウールの毛羽が寝てしまっていることが原因かもしれません。生地の織目に沿ってブラッシングすることでテカリが軽減する場合があります。
洋服ブラシは一般的に馬毛・豚毛の2種類がありますが、毛が柔らかい馬毛ブラシがおすすめです。
②スチームアイロン
ウールは蒸気を吸うことで、繊維表面のキューティクルが開き、つぶれた繊維が元のふっくらした形に戻ろうとする力が働くため、テカリが軽減される場合があります。
生地に直接アイロンが触れないように少し離した状態でスチームを当てましょう。当て布をすることもおすすめです。
③アンモニア水による処理…もありますが…
インターネット上では、「アンモニア水を含ませた布でこする」テカリ解消法を紹介されているものをちらほらと見かけます。
これらの方法も効果はありますが、要するに水分をウール繊維に吸収させて膨潤させているのです。ただし、あまり激しくこすることは生地には良くないので注意が必要です。
強いテカリは、クリーニング店の利用をおすすめします。 ウェットクリーニング(水洗い)ならテカリの解消が期待できます。
ウェットクリーニングできるかどうかは、クリーニング店でご相談いただくと良いでしょう。
多少料金はかかりますが、やはりクリーニングのプロにお任せするのが1番安心です。
テカリだけじゃない!「アタリ」にも注意
テカリだけでなく、「アタリ」についてもご存知でしょうか?
アタリは、アイロンなどの圧力によって生地の繊維が潰されてしまい、平らでなめらかな状態になっていることです。
テカリほどではないですが、同じく光に反射して見える現象で、仕上げに問題がある場合に起こります。
発生するメカニズムは、テカリもアタリも同じ現象です。
スーツのテカリは予防できる?
スーツにテカリが起こると買い替えている、という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、スーツのテカリは着用時の摩擦が原因で発生するため、完全に防ぐことは困難です。
しかし、テカリの発生を遅らせることはできます。
同じスーツを毎日着用しないようにスーツを複数所有し、ローテーションで着回す事が得策です。
スーツを休ませることで繊維の回復期間が生まれるとともに、スーツを長持ちさせることにつながります。
また、テカリを目立たせない色を選ぶ事もおすすめです。例えば、グレー、ライトブルーなどの淡色等はテカリが目立ちにくい色です。
黒・紺のスーツは持っているという方は、新しくこれらの色でスーツを揃えてみてはいかがでしょうか。
色々な雰囲気のスーツを楽しむことが出来る上に、スタイリングの幅も広がります。スーツを大切に長く着るためには、日頃のケアと数着の着回しがベストといえます。
ウールスーツでテカリ知らずの上品な大人な装いに
テカリの原因は、生地の摩擦で起こります。着用するうえで避けて通れないものでもあるため、いかに自宅でケアを行い、テカリを遅らせられるかが重要なポイントとなります。
ウール100%のスーツであれば、テカリが原因でスーツを手放すことが減少します。金銭面でも余裕が生まれ、良いものを永く大切に着たい方にとってベストな選択です。
NIKKE 1896は、ウールの魅力を熟知する120年の歴史を誇る日本最大の毛織物メーカー日本毛織(ニッケ)直営のウールウェア専門店です。
ウールの魅力を伝える伝道師として、永く愛着を持って着ていただくための衣服をご提供し、ご購入後のケア方法など、メンテナンスに関するサポートもしています。
気に入ったものをケアしながらも永く大切に着るということは、我々の生活をより豊かにしてくれるに違いありません。