NIKKE WOOL WINE ~“ウールの肥料”を撒いてワインを作る~
日本毛織株式会社(ニッケ)では、「サーキュラーエコノミー」推進活動の一つとして、羊の毛刈りの際に捨てられる羊の毛を集めて、羊毛(ウール)100%の有機肥料「ラナリン」を製造しています。
ニッケは、神戸ワイナリーのオーナー制度を利用して、毎年ブドウの樹の育成からワイン造りまでを手伝っています。
有機肥料「ラナリン」を撒くことで、ブドウの甘みが増すのか、育成に良い影響があるかを確認する試験栽培も兼ねています。
ブドウの樹には、有機肥料「ラナリン」を撒き、ニッケの社員が枝葉やツルの手入れ作業や、収穫時の手摘み搾汁作業を手伝い、オリジナルのワインを作る取り組みを行っています。
先月9月21日には、有志が集まり手作業によるワインの摘み取りと搾汁の作業を行ってきました。
今年は天候にも恵まれ、ブドウの出来上がりは上々とのことで、おいしいワインになることが期待できます。
ワイン用のブドウは粒が小さいのですが、とても甘いので、収穫中につまみ食いをする社員も。この糖分が発酵してアルコールに変化し、ワインとなります。
ウールは優れた有機質肥料になる
ウールは土に混ぜて埋めるとゆっくりと分解され、数か月で消えてしまいます。ウールは土に還る“生分解する繊維”です。自然から生まれ自然に還る、環境にやさしい素材です。
ウールを特定の温度・圧力下で処理すると茶色い粉末状の肥料になります。設備も限られた世界的にも珍しい技術です。
できあがった肥料は、窒素やアミノ酸が豊富で、非常に効果のある肥料となります。
「みとろフルーツパーク」では、ウール肥料の「ラナリン」を撒いて野菜を育てる栽培試験を行いました。
ナスやピーマンなどの夏野菜は、「ラナリン」を撒いた場所の方が、撒かなかった場所のなんと3倍もの野菜が採れたのだそう。形も大きく、味が濃厚と高評価でした。
真のサーキュラーエコノミーを目指して
ニッケはそのほかにもサステナブルな取り組みを行っています。
循環型社会を実現するため廃棄物のリサイクルや再利用、「服から服を作り出す」循環型製品の開発、捨てられていた羊毛の再資源化など、さまざまな資源循環の取り組みを展開していきます。
今回記事で取り上げたウール肥料の取り組みは、毛刈りで生じた落ち毛を利用したサーキュラーエコノミーの実現を示すものです。
将来的には、回収したウール製の衣服から「ラナリン」を製造し、循環の環をさらに広げていきたいと考えています。
2024年10月新たなNIKKE WOOLWINEが完成しました
昨年2023年秋に収穫したブドウで仕込んでいたNIKKE WOOL WINE 2023が完成しました。年々味の深みが増し、おいしくなってきているようです。NIKKE 1896 神戸店でも、お客様に完成したワインをご試飲いただけるよう、準備をすすめています。