2023年 3月 02日

呼吸する衣服？身体を包んで守ってくれる？メリノウールの快適さの正体

ウールと言えば「あたたかい」「羊」「毛糸」「手編みのセーター」などと連想ゲームができるくらいのイメージを多くの方がお持ちだと思います。はたまた「虫食い」「ドライクリーニングに出す」など、ケアに関すること、「首周りがチクチクする」などの良くない印象を持っている方もいるかもしれません。

ウールの基礎知識

ここまでのことを知っていれば第一段階クリアです。

次の段階は、もう少しだけ詳しく、知っていきましょう。

このような特性を理解し、ウールの業界で研究者が開発を進めた結果、デメリットをなくし（弱め）、より快適に機能を引き出すことに成功しています。

長年の研究の結果、人は羊と営みを共にしながら、肌触りが滑らかで、真っ白に輝くウールを生み出すことに成功します。その名もメリノウール。ウール製の衣服の多くに使われているメリノウールは、細く、チクチクを軽減し、かつて人々が夢を見たウールです。

特に、スーパーエクストラファインメリノと呼ばれる上質なウールはあまりチクチクを感じさせないと言われており、そしてもっと細くて繊細なウルトラファインメリノウール（15.5μより細い）は、チクチクをほぼ感じることがありません。

ウールの縮みの原因となる繊維表面のうろこ。人間の髪の毛でもキューティクルと呼ばれる部分をウールは多く持っており、うろこが開いて絡まることが縮みの原因なのです。

どんどん絡めて出来上がるものこれをフェルトと呼びます。

ウールフェルト化のメカニズム

このうろこ部分のみを削り取ることで、繊維が絡まり合っても縮まないようにすることができます。研究開発の結果出来上がったウォッシャブルウールと呼ばれる“洗えるウール”は、多くがこの加工を施されています。

春：日中は少し汗ばむ、夜は少し肌寒い季節に、雨を弾き蒸れを防ぐ、春用のウールの衣服

夏、サマーウールの開発で、通気性が高く、サラリと快適で洗える、夏用のウール衣服

秋：ファッションの秋にふさわしい色鮮やかで美しい、秋用のウール衣服

冬：あたたかさを高める加工を施した、冬用のウール衣服

上記以外にも、季節を通じて年中着られる便利なものも開発されています。

季節を問わないだけでなく、生活のいろいろなシーンでも着られるようになってきています。

・年中肌に直接着るチクチクしない快適なインナー、Tシャツ、パンツ、靴下など

インナー類は洗濯機でも洗えるようになっているものが多いです。

・スポーツシーンでウールを着て体調を整えたり、嫌な汗のにおいを防ぐ、などなどその活

用方法は広がりを見せ、現在もどんどん進化を続けています。

・ウールの特徴を活かして、なんと！宇宙船内服にも採用されています。

「まるで衣服が呼吸しているよう」、「やさしく身体を包んで守ってくれているようだ」、メリノウールの着心地と機能性を実感した人は口々にそう言います。なんだか不思議で心地よい感覚は、まさに天からの恵みとも言える唯一無二の繊維、衣服、それがメリノウールなのです。

進化し続けているウールですが、日本で一番メリノウール織物を作っている日本毛織(ニッケ)という企業をご存じでしょうか。

ニッケは、1896年に神戸で創業し、昔から変わらないレンガ造りの工場で織物を織り続けています。

そんな企業がメリノウールの「快適さ」と「上質さ」を追求し、技術の粋を集めた洋服屋を運営していることはご存じない方も多いと思います。

NIKKE 1896　上質なメリノウールの“やさしさ”を存分に味わう

その洋服屋は、ウール博士やウールマニアも一目置くウール専門店NIKKE 1896(ニッケイチハチキュウロク) です。上質でユニークな商品を展開しています。

生地から創るオーダースーツ／セーター／とろけるような最高級のウールのTシャツ／ソックス／ウールのデニムやシャツ等、少し普通とは違う商品を、メリノウールの話を聞きながら手に取って見ることができます。

日本一たくさんメリノウールの織物を作っている企業が本気で「快適」と「上質」を追求したら、そんなものづくりの面白さを感じられる空間に是非一度足をお運びください。