UVカットの服は、どれも同じではない!加工で加える機能と、素材がもともと持つ力

UVカットと書かれた服を選べば、どれも同じように紫外線を防いでくれる。そう思っている方も多いかもしれません。

けれど、ひと口にUVカットといっても、その仕組みは一つではありません。

生地に紫外線を防ぐ加工を施したもの。糸や織り方を工夫し、紫外線を通しにくくしたもの。

そして、素材そのものが紫外線を吸収する性質を持つもの。見た目は同じ服でも、紫外線を防ぐ理由は、それぞれ異なります。

その違いを知ると、UVカットの表示だけでは見えなかった、服の選び方が少し変わってきます。 

UVカット性能は、何によって生まれるのか


衣類が紫外線を防ぐ仕組みは、大きく分けると三つあります。 

一つ目は、生地にUV吸収剤などを加える方法です。

生地の表面に加工を施すものもあれば、繊維をつくる段階で紫外線を遮る成分を練り込むものもあります。

二つ目は、生地そのものの設計です。

糸を細かく織る、編み目を詰める、生地に適度な厚みを持たせる。そうすることで、生地の隙間から紫外線が通りにくくなります。

そして三つ目が、素材そのものが持つ性質です。

繊維の種類によっては、特別な加工を加えなくても、もともと紫外線を吸収しやすいものがあります。

なるほど。UVカットとは、何か一つの加工を指す言葉ではないのです。

素材、糸、生地のつくり方、後から加える加工。それらが組み合わさって、一着のUVカット性能が生まれています。 

UPFは、衣類の紫外線対策を示す

衣類のUVカット性能を示す指標の一つに、UPFがあります。

UPFは、衣類が紫外線をどの程度通しにくいかを示すものです。数字が大きいほど、紫外線を防ぐ性能が高いことを表します。

日焼け止めに使われるSPFPAとは異なり、UPFは衣類や布地に用いられる指標です。

ただし、同じ素材を使っていても、すべての服が同じUPFになるわけではありません。

生地の密度や厚み、色、伸び、濡れた状態などによって、紫外線の通しやすさは変わります。

そのため、「UVカット素材だから安心」と素材名だけで判断するのではなく、服としてどのように設計されているかを見ることも大切です。

UVカットの効果は、使い方によって変わることがある

UVカット性能は、どのような仕組みでつくられているかによって、使い続けたあとの変化も異なります。

生地の表面に施した加工は、加工方法や洗濯条件、摩擦などの影響を受ける場合があります。

一方、繊維に成分を練り込んだものや、生地を高密度に仕上げたものは、表面加工とは異なる仕組みで紫外線を防いでいます。

ただし、どのタイプであっても、生地が薄くなる、編み目が広がる、強く伸びるといった変化が起これば、衣類としてのUVカット性能に影響する可能性があります。

つまり、「加工だからすぐに効果がなくなる」「素材由来だから何年着ても変わらない」と、単純に分けることはできません。

大切なのは、紫外線を防ぐ仕組みがどこにあるのかを知ること。そのうえで、生地の状態を見ながら、長く付き合っていくことです。 

素材そのものが、紫外線を吸収する

では、素材がもともと持つUVカットの力とは、どのようなものなのでしょうか。

その一つが、ウールです。

ウールは、繊維を構成する物質そのものに、紫外線を吸収しやすい性質があります。

IWTO(国際羊毛繊維機構)の研究でも示されているように、未加工のウールは、幅広い波長の紫外線を吸収します。

これは、表面に何かを塗ることで生まれた機能ではありません。羊毛という素材の中に、もともと備わっている性質です。

ウールが持つ力は、保温性だけにとどまりません。

湿気を吸ったり吐いたりすること。汗をかいたあとの不快感を抑えること。そして、紫外線を吸収しやすいこと。 

季節や環境に応じて、衣服の中を穏やかに整える。

NIKKE 1896がこれまで伝えてきたウールの多様な機能の中に、UVカットにつながる性質もあります。 

参考:IWTO(国際羊毛繊維機構)  

ウールなら、どれも同じというわけではない

ただし、ウールを使っていれば、どの服も同じように紫外線を防ぐわけではありません。

衣類としての性能は、素材だけで決まるものではないからです。

糸の細さ。
生地の密度。
織り方や編み方。
生地の厚み。
そして、着たときにどの程度伸びるか。

同じウールでも、服としての設計が変われば、紫外線の通しやすさも変わります。

ウールが持つ性質を、服の中でどう活かすのか。そこには、素材を選ぶ知識と、生地をつくる技術の両方が必要です。

素材が持つ力を引き出す NIKKE 1896のものづくり

NIKKE 1896は、ウールに後から多くの機能を足すことよりも、素材がもともと持つ力を、服の中でどう活かすかを考えてきました。

原料を選び、糸にし、生地をつくる。

その一つひとつの工程に関わるウールメーカーだからこそ、素材の名前だけでは語れない違いを知っています。

細い繊維を使えば、それだけで良いわけではありません。生地を薄くすれば、夏に快適になるとも限らない。

肌に触れたときの感覚。
汗をかいたあとの状態。
光や熱の下で、どのように着られるか。

ウールが持つ性質を理解しながら、日常の服としてバランスを整えていく。

それが、NIKKE 1896のものづくりです。

UVカットという一つの機能だけを加えるのではなく、素材がもともと持つ複数の力を、一着の中で無理なく働かせる。

服を着ているあいだ、機能のことばかりを意識しなくてもよい。そんな自然な心地よさを、素材と生地の設計から考えています。

FAQ(よくある質問)

Q. UVカット性能は、洗濯によって変わりますか

加工方法によって、洗濯の影響は異なります。表面に施した加工は、洗濯や摩擦で性能が変化する場合があります。

一方、繊維に成分を練り込んだものや、素材自体が紫外線を吸収するものは、異なる仕組みです。

ただし、生地が薄くなったり伸びたりすれば、UVカット性能に影響することがあります。

Q. ウールの服は、夏には暑くありませんか

夏に快適に着られるかどうかは、原料名だけでは決まりません。

糸の細さ、生地の厚み、織り方、編み方、通気性などによって、着心地は大きく変わります。

冬用の厚手のウールと、夏向けに設計された薄手のウールでは、同じ素材でも着用感は異なります。

Q. UVカットの服を着ていれば、日焼け止めは必要ありませんか

服で覆われていない顔や首、手などには、別の紫外線対策が必要です。

衣類は、覆っている部分の対策として考え、露出している部分には日焼け止めや帽子などを組み合わせることが基本です。

Q. 色によってUVカット性能は変わりますか

一般的には、濃い色の方が紫外線を吸収しやすい傾向があります。

ただし、実際のUVカット性能は、色だけでなく、素材、生地の密度、厚み、加工などによって決まります。

色だけを基準にするのではなく、衣類全体の設計を見ることが大切です。

UVカットという表示の、その先を見る

UVカットの服を選ぶとき、目に入りやすいのは、タグや商品ページに書かれた数字です。

もちろん、数字は大切な判断材料になります。

けれど、その性能がどのような仕組みで生まれているのかまで知ると、服の見え方は少し変わります。

後から加えられた機能なのか。
生地の設計によるものなのか。
素材そのものが持つ性質なのか。

ウールには、紫外線を吸収しやすい性質が、もともと備わっています。NIKKE 1896が大切にしているのは、その力を誇張することではありません。

素材を知り、糸を知り、生地を知る。

そのうえで、日々の暮らしの中で無理なく働く服へと整えていくこと。

UVカットという一つの機能から、素材そのものへ目を向けてみる。そこには、数字だけでは見えない、服を選ぶ理由があります。

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